全米オープンで注目された「錦織」選手の姓は、「にしこり」と読む。
◎これは、反切(はんせつ)読み。

反切とは、漢字の発音表記法のひとつで、漢字の音(読み方)を示すのに、他の漢字2字を借りてする方法のこと。
上の字(父字、音字)の頭子音と、下の字(母字、韻字)の韻を合わせて、その漢字の音を表す。
例1(大辞林)・・「三(さん、SAN)」の読みを表すのに、「思 甘 反」と書く。「思(SI)」の頭子音「S」と「甘(KAN)」の韻「AN」を
合わせて、「SAN(三)」。「反」は、「反切」の意味。

例2(広辞苑)・・「台(たい、TAI)」を「徒 哀 反」と書けば、「徒(TO)」の頭子音「T」と「哀(AI)」の韻「AI」を合わせ、「TAI(台)」

数式にすると、
A=(Bの頭子音)+(Cの韻)

この原理を日本語にも応用し、日本語の語形変化について説明することも行われた。(「大辞林」)

◎「錦織」の場合
1.「錦」は国訓で「にしき」。その3音目の「き(KI)」の「K」と
2.「織」(おり)・・ORIを合わせて
→「KORI」(こり)
→でもって、「にし」+「こり」で、「にしこり」