【「牙」と「芽」Ⅱ~「芽」の脚は絶対に、するどい「牙」だ!~】
1.「芽」の新字体
新字体(注1)で「芽」の字の脚は、4画の「牙」から、5画に変わった。(私のパソコンに5画の「きば」の字がない。)
要するに、新字体では、「牙」の2画目(「ノ」と「一」を一気に1画で書く)が、2画目、3画目にばらされた。
新字体で、画数が増えた例である。
ところが、「牙」は、当用漢字(現在の常用漢字)でないから、4画のままである。
・「芽」のほかに、「牙」を含む字で当用漢字の「雅」「邪」の偏も新字体で、4画から、5画になった。
同様に「旡」(すでのつくり)部の「既」の旁が、4画の「旡」から、5画になった。
・一方、当用漢字でない「冴(さ)える」の「冴」、「穿(うが)つ」の「穿」、「谺(こだま)」「鴉」などの「牙」は、4画のままになっている。
2.なぜ、「芽」の脚を問題にするのか。
私は、以前にも、此の問題に触れた。
今日、我が家の庭に土と雪を割って出てきたチューリップの「芽」を見た。写真をご覧ください。
鋭い「牙(きば)」である。土と雪をはねのけるには、ものすごいエネルギーが必要だっただろう。
それには、「牙」が、なくてはならない。「芽」の脚は絶対に4画の「牙」でなければならない!
なぜ、国語審議会が、新字体で、わざわざ画数を増やしたのだろうか。
先の「内閣告示」には、「字体の不統一や字画の複雑さにももとづくところが少くないから、当用漢字表制定の趣旨を徹底させるためには、さらに漢字の字体を整理して、その標準を定めることが必要である」とある。
しかし、この「芽」などの画数増加は「字画の複雑さ」を促進させたに過ぎないと思う。
力強く「芽」を出したチューリップを見るにつけ、改めて小論を書いた。
注
(1) 新字体・・正式には、昭和24年(1949)4月28日、内閣告示第1号で告示された「当用漢字字体表」という。
1.「芽」の新字体
新字体(注1)で「芽」の字の脚は、4画の「牙」から、5画に変わった。(私のパソコンに5画の「きば」の字がない。)
要するに、新字体では、「牙」の2画目(「ノ」と「一」を一気に1画で書く)が、2画目、3画目にばらされた。
新字体で、画数が増えた例である。
ところが、「牙」は、当用漢字(現在の常用漢字)でないから、4画のままである。
・「芽」のほかに、「牙」を含む字で当用漢字の「雅」「邪」の偏も新字体で、4画から、5画になった。
同様に「旡」(すでのつくり)部の「既」の旁が、4画の「旡」から、5画になった。
・一方、当用漢字でない「冴(さ)える」の「冴」、「穿(うが)つ」の「穿」、「谺(こだま)」「鴉」などの「牙」は、4画のままになっている。
2.なぜ、「芽」の脚を問題にするのか。
私は、以前にも、此の問題に触れた。
今日、我が家の庭に土と雪を割って出てきたチューリップの「芽」を見た。写真をご覧ください。
鋭い「牙(きば)」である。土と雪をはねのけるには、ものすごいエネルギーが必要だっただろう。
それには、「牙」が、なくてはならない。「芽」の脚は絶対に4画の「牙」でなければならない!
なぜ、国語審議会が、新字体で、わざわざ画数を増やしたのだろうか。
先の「内閣告示」には、「字体の不統一や字画の複雑さにももとづくところが少くないから、当用漢字表制定の趣旨を徹底させるためには、さらに漢字の字体を整理して、その標準を定めることが必要である」とある。
しかし、この「芽」などの画数増加は「字画の複雑さ」を促進させたに過ぎないと思う。
力強く「芽」を出したチューリップを見るにつけ、改めて小論を書いた。
注
(1) 新字体・・正式には、昭和24年(1949)4月28日、内閣告示第1号で告示された「当用漢字字体表」という。