【辻、迷、謎】

◎しんにゅうの旧字体
「しんにゅう」の旧字体は、4画。
もともと、しんにゅうは、「彳」と「止」の会意字で、7画。漢和辞典の7画の見出し字となっている。

「彳」は、「行く」、つまり、「道路」の意味があり、「止」は足、足跡を示し、しんにゅうの原型。それが、漢字の「繞(にょう・かこむの意)」になるときは、4画に略す。
阿辻哲次氏は、「部首の話」(中公新書)で、旧字体のしんにゅうの点が、2つあるのは、その第1画と第2画をそのままに残すべきと考えた結果だろうと、述べている。

◎しんにゅうの新字体
ところが、新字体(注1)で、しんにゅうが、点1つの3画になった。そのため、混乱が起きた。
つまり、
・当用漢字(現常用漢字)にあるしんにゅうは、点1つの3画。
・当用漢字でない漢字(表外漢字)のしんにゅうは、点2つの4画。

◎辻、迷、謎

・この3字のうち、
・常用漢字は、「迷」
・「辻」と「謎」は表外漢字。
・しんにゅうに関しては、「迷」が3画、「辻」と「謎」が4画。

・「謎」は、「言」偏(ごんべん)+「なぞ」だが、その「なぞ」のしんにゅう部分は、4画(点2つ)であり、3画(点がひとつ)ではない。

◎いいたいこと
・「迷」は、常用漢字だから、しんにゅうは、点1つの3画。
「迷」のしんにゅうは3画だが、「謎」は、常用漢字でないから、旁(つくり)の「まよう」部分のしんにゅう部分は、3画でなく4画。
・新字体で、しんにゅうの点を1つにして、3画としたことが、表外漢字との間で混乱のもとになっている。わずか、1画減らしただけなのに・・。


(1)新字体とは、昭和24年(1949)4月28日 内閣告示第1号の『当用漢字字体表』で提示された標準字体に対する呼称。