◎【古文書の原本・写本・影印本】
1.原本・・くずし字で書かれた史料の原文
2.写本・・原本を写したもの。
 ①影写(えいしゃ)本・・薄い紙を原本の上に置き、その上から原本の文字をなぞるようにして写した本。
 ②謄写(とうしゃ)本・・原本を横に置いて筆写した本
③影印(えいいん)本・・原本(または、写本①②)を写真にとり製版・印刷した本。
*一般に古文書を解読する場合手にする史料は、「影印本」。

◎【古文書の解読・・普通には読めないくずし字(文字や文章)を読み説くこと】
1.釈文(しゃくぶん)・・本来、原本(または写本)には句読点や濁点がない。これに、読点だけを付けた文。読点の付け方は、解読者の解釈による。
2.翻刻(ほんこく)・・釈文を活字にすること。またその本。凡例を設けて釈文よりも読みやすくする場合が一般的。たとえば、原文にはない句読点を付けたり、濁点・半濁点を付けたり、助詞の「江」を「へ」としたり、旧字体を常用漢字にするなど。この場合も解読者の解釈による。
3.書き下し文・・釈文を、順に下の方に書いていく文。また、漢文(調)の文章を仮名交り文に書き改めた文。送り仮名をつける場合が多い。
  例・・「可被相達」→「相達せ被(ら)る可(べ)く」
  書き下し文を音読することを、「読み下す」という。
 4.解釈文・・文章の意味を、受け手の側から理解して書き直した文。現代のことばで書いた解釈文を「現代訳(げんだいやく)文」という。

◎【注記と注釈】
 1.注記・・文字、文章について説明すること。
 2.注釈・・文字、文章の意義をときあかすこと。単に説明するにとどまらず、解釈すること。