森勇二のブログ(古文書学習を中心に)

私は、近世史を学んでいます。古文書解読にも取り組んでいます。いろいろ学んだことをアップしたい思います。このブログは、主として、私が事務局を担当している札幌歴史懇話会の参加者の古文書学習の参考にすることが目的の一つです。

2010年11月

組(く)んず解(ほぐ)れつ

「組んず」と、「ず」があるから、「組まない」と、否定になるかというと、そうではない。『広辞苑』は、「クミツホグレツの転」とし、「組み合ったり離れたちしてはげしく動きまわるさま」とある。
「組ん」の「ん」は、助動詞「むず」が、平安時代以後、「んず」の形で使われた例の適用変形か。
「解(ほぐ)れつ」は、下2段動詞の「ほぐる」の連用形「ほぐれ」+接続助詞「つ」で、「ときはなれる」の意。
「解」の解字は、「角+刀+牛」で、刀で牛のからだやつのをばらばらに分解することを示す。(『漢字源』 )

眼鏡はいつも、きれいに。

私は、眼鏡の曇りを気にしないほうなのですが、いつも、妻は、それを気にして、私に注意をしていました。
自分のことばかりでなく、私を見る人は、私をだらしなく思うからと・・。
今は、それを注意してくれる人がいません。

でも、これからは、出かける時とか、集まりの時、人と話をするときは、その前に、眼鏡を拭くように心がけます。 

「ひっつめ」・「たぼ(髱)」

「ひっつめ」・「たぼ(髱)」 

中島京子の『小さいおうち』に出てくる語句には、今では、ほとんど使われなくなった、昔なつかし言葉がいっぱいでてくる。それらの語句をあらためて調べてみた。 

「ひっつめ」・・「引っ詰め」を当てる。女の髪の結い方のひとつ。『広辞苑』には、「たぼを長く出さずに結うもの」とある。

「たぼ」・・これがまた、わからない。「髱」を当て、「女性の結髪で後方に張り出している部分」とある。『新潮日本語漢字辞典』は、漱石の『行人(こうじん)』から「風呂場の隣の小さい座敷を一寸(ちょっと)覗くと、嫂(あによめ)は今髷(まげ)が出来た所で、合せ鏡ををして鬢(びん)だの髱(たば)だのを撫でゝゐた」を示している。また、『広辞苑』は、「髱」は転じて、「若い婦人の称」(『広辞苑』)とし、『東海道中膝栗毛』から「いい髱(たぼ)でもあったら、この息子を出し抜くめえよ」を揚げている。

穭(ひつじ・ひつち・ひづち)

今朝の北海道新聞の「うた暦」に「穭」の文字があった。「ひつじ・ひつち・ひづち」と読む。古くは、「おろかおい」と読んだという。(『新潮社日本語漢字辞典』)。『広辞苑』は、「おろかおい」に「疎生」と「穭」の字を当てている。

語意について、『広辞苑』には「刈り取った後に再生する稲」とある。『古今和歌集』の「刈れる田に生ふる穭の穂に出でぬるは世を今更に秋はてぬとか」を例示している。前掲「うた暦」には、一茶の句「何をあてに山田の穭穂出づる」を示している。

熟語には、「穭田(ひつじだ・穭の生えている田)「穭生え(ひつじばえ)」などがある。「穭生え」は、広辞苑には「秋に刈りとった稲の株から生えるひこばえ。また、そのように、まばらに短く生えるさまのものをいう」とあり、『浮世風呂』の「穭生えの眉毛(まみえ)」を引いている。

解字は「禾(いね)+魯」で、「魯」は、「魚(にぶい動物の代表)+曰(ものをいう)」で、言行が魚のように大まかで間ぬけであることだから(『漢字源』)、間のぬけた稲の意。

足が速い

食物などがくさりやすいことをいう。
「お肉とお魚は足が速いから、大晦日の朝届けてもらうようにする」(中島京子『小さいおうち』文藝春秋刊)

古文書の世界

表題:古文書の世界
概要:くずし字、変体かなをわかりやすく解説します。味わい深い古文書は、その時代が見えてきます。
日時:2010.11.22(月)9:30~10:45
会場:札幌市社会福祉総合センター4階大研修室(札幌市中央区大通西19丁目・地下鉄東西線・西18丁目駅下車    出口1番徒歩3分)
参加自由・無料・直接会場へおいでください。
主催:札幌市社会教育協会

古文書に頻出する用言(動詞・形容詞・助動詞)の活用形

古文書に頻出する用言(動詞・形容詞・助動詞)の活用形

*連用形・・用言に連なるときの形。  *連体形・・体言(名詞・代名詞・副詞)に連なる形。*「候(そうろう)」は、動詞。つまり用言だから下に「候」が下にあれば、活用は連用形。*「旨」「由」「筈」「事」などは、普通名詞。つまり体言だから、下に体言があれば活用は連体形。 

1.ラ行変格動詞「有(あ)り」
【あら(未然)・あり(連用)あり(終止)ある(連体)・あれ(已然)・あれ(命令)】
①有之候 これ(あり)候 ②有之旨 これ(ある)旨 ③有之由 これ(ある)由 

2.ラ行変格動詞「居(お)り」
おら(未然)・おり(連用)おり(終止)おる(連体)・おれ(已然)・おれ(命令)】
①住居候得者 住ひ(おり)候えば ②住居由 住ひ(おる)由 ③住居筈 住ひ(おる)筈 

3.助動詞「度(た)し」・・動詞の連用形に付く
【たく(未然)・たく(連用)・たし(終止)たき(連体)・たけれ(已然)】
①受度候 受け(たく)候 ②受度候得共 受け(たく)候え共 ③受度由 受け(たき)由

 4.形容詞「無(な)し」 
【なく・(未然)・なく(連用)・なし(終止)なき・(連体)・なけれ(已然)・なかれ(命令)】
①無之候 これ(なく)候 ②無之候而者 これ(なく)候ては ③無之由 これ(なき)由  

5.形容詞「難(かた・~がた)し」・・動詞の連用形に付く
【かたく(未然)・かたく(連用)・かたし(終止)かたき(連体)・かたけれ(已然)】
①難受候得者 受け(がたく)候えば ②難受旨 受け(がたき)旨 ③難受(がたき)事 

6.助動詞「まじ」・・動詞の終止形(ラ変動詞には連体形)に付く。
【まじく(未然)・まじく(連用)・まじ(終止)まじき(連体)・まじけれ(已然)】
①受間敷候而者 受く(まじく)候ては ②受間敷旨 受く(まじき)旨
④有之間敷候 これ(ある)(まじく)候 ⑤有之間敷旨 これ(ある)(まじき)旨 

7.助動詞「可(べし)」・・動詞の終止形(ラ変動詞には連体形)に付く。
【べく(未然)・べく(連用)・べし(終止)べき(連体)・べけれ(已然)】
①可受候 受く(べく)候 ②可受候得共 受く(べく)候え共 ③可受旨 受く(べき)旨④可有之候得者 これ(ある)(べく)候えば ⑤可有之由 これ(ある)(べき)由

記事検索
プロフィール

drecom_moriyuzi

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ