(8-1)「手当(てあて)」・・準備。

(8-2)「本文(ほんもん・ほんぶん)」・・古書などにあって、典拠となる文句。出典とした文。

(8-2)「在住足軽」・・「在住」は、箱館奉行所属で、「同心」の下の最下位の役人。

(8-3)「実備(じつび)」・・実際に役にたつ備え。

(8-3)「当時」・・ただいま。現在。現今。

(8-4)「警衛(けいえい)」・・かためまもること。

(8-45)「行届候筈無之、強而」・・『蝦夷地廻浦録』には、「行届候筈無之」と「強而」の間に「乍去、極寒窮陰之地、風土に馴れ不申候而は、冬分凌方無之」がある。

(8-5)「士分以上」・・『蝦夷地廻浦録』には、「以上」は、「以下」とある。

(8-5)「而已(のみ)」・・漢文の訓読体。漢文では、「而已」という終助詞にあたる用法で「而(すなは)ち已(や)む」の意。

*漢文における文末助辞「而已」が限定・決定・強調に用いられ、日本語の副助詞「のみ」の用法に近いため、訓読文において文末の「而已」を「のみ」と必ず訓じるようになり、意味も「限定」という論理性が薄れ、「強く言い切る」という情意性を表わすようになった。

(8-5)「火辺(ほべ・ほへ・かへん)」・・火のそば。暖炉のそば。

 *「火」を「ほ」と訓じる例・・「火影(ほかげ)」「火照(ほて)る」「火群(ほむら)」「火口(ほくち)」など。

 *常用漢字表の「音訓欄」に「ほ」があり、「火影」を例示している。

 *なお、万葉仮名で、「火」は、「ひ」「ほ」と読む。

   **「降雪火影(ほかげ)にきらめきて舞う。あゝ武蔵野沈黙す」(国木田独歩『武蔵野』)

   **「ゐろりの火(ほ)かげに寐所をまうけて臥す」(芭蕉『奥の細道』)

(8-6)「浮腫(ふしゅ)」・・皮下組織内に、組織間液が大量にたまった状態。押すとへこむ。むくみ。

(8-6)「雪車(そり)」・・そり。

(8-6)「雪車橇」・・3字で「そり」と訓じるか。「橇」は「かんじき=雪国で、深雪中に足を踏込まないように、靴、わら靴などの下につける道具」の読みもあるので、「そり・かんじき」と読むか。

(8-6)「身体(からだ・しんたい)」・・「身」と「体」の間にある「を」の左に、見せ消ち記号の「二」があるので、「を」を読まず、「身体」と読む。

(8-7)「一ト通之者」・・「一ト通」は、一筋。

(8-7)「徒(いたづら)に」・・何ら目的、理由、原因などがないのに、物事をしたり、また、状態が進行したりするさまが甚だしいさまを表わす語。むやみやたらに。わけもなく。ただひたすら。

(8-7)「逸居(いっきょ)」・・気楽に遊び暮らすこと。怠けて暮らすこと。

(8-8)「下情(かじょう)」・・下の階層の事情。為政者などから見た庶民の実情。

(8-8)「実功(じっこう)」・・実際の仕事や職務。

(8-8)「時宜(じぎ)」・・時がちょうどよいこと。

(8-8)「勘考(かんこう)」・・よく考えること。思案。

(8-10)「給分(きゅうぶん)」・・江戸時代、下級の役人、中間、小者、また、一般の奉公人に与える給料。

(8-11)「歩卒(ほそつ)」・・徒歩の兵卒。徒武者(かちむしゃ)。足軽。歩士。