今朝の北海道新聞の「うた暦」に「穭」の文字があった。「ひつじ・ひつち・ひづち」と読む。古くは、「おろかおい」と読んだという。(『新潮社日本語漢字辞典』)。『広辞苑』は、「おろかおい」に「疎生」と「穭」の字を当てている。

語意について、『広辞苑』には「刈り取った後に再生する稲」とある。『古今和歌集』の「刈れる田に生ふる穭の穂に出でぬるは世を今更に秋はてぬとか」を例示している。前掲「うた暦」には、一茶の句「何をあてに山田の穭穂出づる」を示している。

熟語には、「穭田(ひつじだ・穭の生えている田)「穭生え(ひつじばえ)」などがある。「穭生え」は、広辞苑には「秋に刈りとった稲の株から生えるひこばえ。また、そのように、まばらに短く生えるさまのものをいう」とあり、『浮世風呂』の「穭生えの眉毛(まみえ)」を引いている。

解字は「禾(いね)+魯」で、「魯」は、「魚(にぶい動物の代表)+曰(ものをいう)」で、言行が魚のように大まかで間ぬけであることだから(『漢字源』)、間のぬけた稲の意。