(32右下)「シイリ」・・チリ。

(32右下)「カロ」・・

(32右下)「テルラゲルニヤ」・・アルゼンチンか。

(32右下)「テルレデヘウ」・・ティラデルフエゴ。現アルゼンチンの州。アルゼンチン本土とはマゼラン海峡によって隔てられている。

(32右下)「長人国」・・*談義本・成仙玉一口玄談〔1785〕一・箒良到伯西児(ブラジル)之談「此国の人長壱丈あるを以て、世に是国を長人国と称(なづ)けたり」

(32右下)「銀河」・・ラプラタ川か。

(33)「北極」のうち

(33右上)「モンカリヤ」・・

(33左上)「スーヱイデン」・・スエーデン。

(33左上)「ノーハウヱントイン」・・ノルウエー。

(33左上)「大北洋」・・ノルウエー海か。

(33左上)「クルウンラント」・・グリーンランド。

(33)「正帯」(北)のうち

(33右上)「テルアラコンハキイ」・・

(33右上)「カムサスカ」・・カムチャッカ。

(33右上)「ヲロシヤ」・・オロシャ。

(33右上)「八丈」「四国」「九刕(州)」「琉球」

(33右上)「大寃(たいえん)」・・台湾。

 *増補華夷通商考〔1708〕三「白砂糖〈略〉木綿 西瓜 薬種少々 鳥獣 米 南瓜 ボウブラ 右の類唐船に積来る也。是を大寃船(タイワンフネ)と云」

(33右上)「ヱゾ」・・蝦夷

(33右上)「カラフト」・・樺太

(33右上)「サド」・・佐渡

(33右上)「オキ」・・隠岐

(33右上)「イキ」・・壱岐

(33右上)「ツシマ」・・対馬。

(33右上)「カイ子ニ」・・

(33右上)「ニヒヤ」・・

(33右上)「女直」・・「女真」。中国、東北地方東部に居住し、粛慎・勿吉・靺鞨などと呼ばれてきたトゥングース系民族の遼・宋以後の名称。女直ともいう。

(33右上)「朝鮮」・・「女直」の右下にある。

(33右上)「ヲランカイ」・・渤海か。

(33右上)「ヒヤンス」・・ツングースか。

(33右上)「カイマキタ」・・

(33右上)「大韃靼」・・タタール。

(33右上)「チンケシキ」・・キルギスか。

(33右上)「シビリヤ」・・シベリヤ。

(33右上)「カルムキ」・・ウルムチか。

(33右上)「トルケクダニヤ」・・トルキスタンか。

(33右上)「カタイ」・・

(33右上)「大流沙」・・ゴビ砂漠か。

(33右上)「コンロン」・・崑崙。

(33右上)「莫卧尓」・・モゴル。ムガール。モンゴル(蒙古)とインドムガール帝国の混同が見られる。

(33右上)「大清(だいしん)」・・清、清朝、大清国、大清帝国ともいい、1636年に満洲において建国され、1644年から1912年まで中国とモンゴルを支配した最後の統一王朝である。首都は盛京(瀋陽)、後に北京に置かれた。満洲族の愛新覚羅氏(アイシンギョロ氏)が建てた征服王朝。

(33右上)「大清」内の都市名・・「北京」「山東」「福建」「南京」「広東」「雲南」「四川」「寵門」

(33右上)「東天竺」「北天竺」「西天竺」「中天竺」「南天竺」・・「天竺」は、中国古代のインド地方の呼び名。同系統の古称としては天篤(てんとく)、天督(てんとく)、天豆(てんとう)、天定(てんてい)などがあり、語源は、身毒(しんどく)、印度(いんど)などと同じく、サンスクリットのシンドゥーSindhu(インダス川地方)であるとされる。

(33右上)「夏至昼長線」・・北回帰線のこと。夏至線ともいう。「回帰線」は、地球の北緯および南緯約2326分の等緯度線のこと。それぞれ北回帰線、南回帰線という。また地球から見て太陽が夏至のころにかに座に入り、冬至のころにやぎ座に入るので、それぞれ夏至線、冬至線、あるいは、かに座の回帰線、やぎ座の回帰線ともいう。太陽が春分点から次の春分点まで戻る時間を1回帰年(または太陽年)とよぶが、この1年間に太陽は赤道―北回帰線―赤道―南回帰線―赤道の順に動き、このことから回帰線の名が生まれた。

(33左上)「モスコビイ」・・モスクワ。

(33左上)「リユスランド」・・

(33左上)「ヘルシマ」・・ペルシャか。

(33左上)「大夏」・・バルクを中心とする北アフガニスタンの、中国での呼称。漢代のバクトリア王国にあたるとされるが、紀元前二世紀、この国を滅ぼしたトハラの音訳ともいわれる。

(33左上)「ヲルカリヤ」・・ブルガリヤ。

(33左上) 「北高海」・・カスピ海。ロシア南部からイラン北部にひろがる世界最大の湖。塩湖。

  *管蠡秘言〔1777〕「海泉川湖〈略〉亜細亜の西辺に北高海と称するものあり。実は海にあらず、大湖なり」

(33左上)「太海」・・位置からエーゲ海と黒海か。

(33左上)「キリイケニ」・・ギリシャか。

(33左上)「ヲンカリヤ」・・ブルガリヤか。

(33左上)「ナトリヤ」・・アナトリア。小アジアの異称。アジアの西端にあり、トルコの大半部を占める、地中海と黒海に挟まれた半島。

(33左上)「ジユデヤ」・・シリア。

(33左上)「天堂国」・・位置からイラクか。

(33左上)「アラビヤ」・・アラビア

(33左上)「ホフレン」・・ルーマニアか。

(33左上) 「小ダッタン」・・ウクライナか。

(33左上)「フンカリヤ」・・ブルガリヤ。

(33左上)「イタリヤ」・・イタリア。

(33左上)「トイツランド」・・ドイツ。

(33左上)「紅毛」・・オランダ。

(33左上)「北海」・・北海。

(33左上)「スニツランド」・・スコットランド。

(33左上)「ヱイスランド」・・アイスランド。

(33左上)「イルランド」・・アイルランド。

(33左上)「フランス」・・フランス。

(33左上)「イスハニヤ」・・イスパニア(スペイン)。

(33左上)「ホルトカル」・・ポルトガル。

(33左上)「地中海」・・地中海。原意は「まわりを陸地で囲まれ、海峡により他の海域に連なる海。」ここでは、ユーラシア・アフリカの二大陸に囲まれ、西はジブラルタル海峡により大西洋に通じる海域。大西洋の付属海で、ボスポラス海峡以北は黒海と呼ばれる。東はスエズ運河により紅海・インド洋に通じる。

(33左上)「西紅海」・・紅海。カルフォルニヤ湾を「東紅海」とするのに対していうか。

(33左上)「ヱシツト」・・エジプト。

(33左上)「ハルハリヤ」・・リビアか。

(33左上)「サカラ」・・サハラか。

(33左上)「ヒルトルゲリツト」・・位置的に、アルジェリアか。

(33)「暖帯」のうち

(33右中)「ヲガシマ」・・小笠原諸島。

(33右中)「呂宋」・・ルソン。フィリピンの古称。

(33)「澎湖(ほうこ)三十六湖」・・「澎湖諸島」は、台湾の西方海上50キロ、台湾海峡中にある群島。中国では澎湖列島という。欧名ペスカドールは漁人諸島の意。六十四の島々からなる。

(33右中)「ホル子ヲ」・・ボルネオ。マレー諸島の中央部にある世界第三の大島。北西部のマレーシア領サバ・サラワク両州およびブルネイ‐ダルサラーム国を除いて約四分の三はインドネシア領のカリマンタン州。赤道直下にあり高温多湿で大半は密林におおわれている。

(33右中)「安南」・・ベトナム中部地方。また、この地に建てられたベトナム人国家の称。唐代に安南都護府が置かれて以来の呼称。

(33右中)「南蛮(なんばん)」・・戦国時代以後わが国で、ルソンやジャワなどの東南アジア方面をさして用いた呼称。また、東南アジアに植民地をもつポルトガル・スペインをさし、オランダ・イギリスなどと区別して用いた呼称。

(33右中)「チヤンハン」・・

(33右中)「カボチヤ」・・カンボジア。

(33右中)「マラツカ」・・マラッカ。マレー半島の先端。

(33右中)「台吉丹」・・タイか。

(33右中)「ベケフサントメ」・・位置からして、現ミヤンマーか。

(33右中)「霊鷲山(りょうじゅせん)」・・単に鷲山(じゅせん)ともいう。如来(釈迦)が『法華経』をはじめ諸経を説いた所とされ、現在のインド北東部の州、ビハール州ラージギル東南三キロのチャタギリ連峰が比定されている。法顕(ほっけん)・玄奘・義浄など入竺求法僧はいずれもこの地を訪れている。しかし、一般には『法華経』如来寿量品(じゅりょうぼん)に説く劫末(ごうまつ)の火災に世界が焼尽する中、ここだけは安穏にして天人が満ち伎楽が奏でられる浄土である、との霊山浄土のイメージを託された観念上の世界として語られ、それがまた霊山浄土変として中国・日本で変相図として彫画されてきた。また、日蓮は『法華経』の行者が何より期すべき浄土としてこの土(ど)をあげている。 

 <漢字の話①>「鷲」・・「シュウ」は漢音。「ジュ」は呉音。岩手山を「岩鷲山(がんじゅさん)」と呼ぶ。

 <漢字の話➁>「山」・・「サン」は漢音。「セン」は呉音。大山(だいせん)、弥山(みせん)など。

(33右中)「印度」・・インド。

(33右中)「ジヤカタラ」・・インドネシア、ジャワ島のジャカルタの古称。また、ジャワ島の日本近世以来の呼称。バタビア。

(33右中)「冬至昼短線」・・南回帰線のこと。

(33右中)「セレベス」・・セレベス島。インドネシア中部、大スンダ列島の一島。カリマンタン島(ボルネオ島)の東方に位置する。

(33右中)「キロヽ」・・位置的には、ニューギニアか。

(33右中)「三仏齊(さんぶっせい」・・宋代の史書にその名がみえる南海の古国。711世紀、スマトラ島の南東部にあった大乗仏教の国で、唐代には室利仏逝と書かれた。さんぶつせい。シュリービジャヤ。

(33右中)「万島」・・位置的には、モルディブ諸島か。

(33左中)「小西洋」・・インド洋。

(33左中)「タンカリコム」・・位置的には、スーダンか。

(33左中)「アヤアナ」・・位置的には、ソマリアか。

(33左中)「ヱヒシンニイ」・・位置的には、スーダンか。

(33左中)「ニウビン」・・位置的には、ニジェールか。

(33左中)「齊歴湖」・・位置的に、チャド湖、又はマラウィ湖か。

(33左中)「カホン」・・ガボン。

(33左中)「グイ子ン」・・位置的に、ガーナか。

(33左中)「黒人国」・・

(33左中)「ニキクツシマ」・・位置的に、モーリタリアか。発音的には、首都ヌアクショットが近いか。

(33左中)「サンダヱパル」・・位置的に、タンザニアか。

(33左中)「マタカスカル」・・マダカスカル。

(33左中)「沙加湖」・・ビクトリア湖。ビクトリア湖は、アフリカのケニア、ウガンダ、タンザニア三国にまたがる湖。海抜高度一一三四メートル、水深約八〇メートル。面積六万八八〇〇平方キロメートルで、アフリカで最大、淡水湖として世界第二位の広さを持つ。

(33左中)「モノモキイ」・・位置的に、モザンピークか。

(33左中)「コンゴ」・・現コンゴ共和国、コンゴ民主共和国。

(33左中)「ヒヤハラ」・・位置的に、現中央アフリカか。

(33)「正帯」(南)のうち

(33右下)「テルラノーハ ノーハグヒ子ヤ ト称ス」・・ニュージーランドか。

(33右下)「ノーハボルランド 新ヲランダ ト称ス」・・オーストラリア大陸。「ノーハボルランド」とは、1644年にオランダ人のアベル・タスマンが、オーストラリア大陸を「ノバ・ホランディア」(新オランダ)と命名したことによる。

(33左下)「カツバリヤ」「カツハリヤ」・・現南アフリカ共和国。発音的には、「カラハリ砂漠」の「カラハリ」に近いか。

(33左下)「ホツテントツテン」・・ホッテントット。アフリカ南西部、ナミビアの南部とボツワナ西部の一部に住む遊牧民族コイ人の俗称。我が国では、身体的特徴を差別的にいう場合に使われていた。

(34-1)「陰陽の理」・・陰陽思想。中国の思想に端を発し、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰と陽の二つのカテゴリに分類する思想。陰と陽とは互いに対立する属性を持った二つの気であり、万物の生成消滅と言った変化はこの二気によって起こるとされる。

(34-4)<漢字の話>「凹(オウ、くぼみ)」・・部首は「凵(かんにょう・うけばこ)」部。画数は5画。

(34-4)<漢字の話>「凸(トツ)」・・部首は「凵(かんにょう・うけばこ)」部。画数は5画。

(34-5)「峙(そばたつ)」・・山が高くそびえたつ。

(34-5)「菓瓜(かか)」・・瓜果(かか)。果実の総称。ウリと木の実その他の果実を併せていったもの。

 影印は「爪」のように見えるが、「瓜」。

(34-6)<見せ消ち>「如き」・・当初「如し」とあるが、「し」を「きカ」としている。

(34-7)「俗間(ぞっかん)」・・世俗の間。俗人の住んでいる世の中。俗人の仲間。民間。

(35-5)「唐土(とうど・もろこし)」・・昔、中国をさして呼んだ名称。からの国。もろこし。唐山。

(36-4)「止息(しそく)」・・とどまってやすむこと。行動をやめてやすむこと。また、他の活動をとめること。停止。休止。

(36-6)「暁(ぎょう)し難(かた)からん」・・理解することが難しい。「暁し」の「し」が「り」で、「暁り」なら、「さとり」と訓読みできるが、「暁し」とあるから、「暁」は「ギョウ」と、音読みするしかない。

(36-6)「渾天議」・・「議」は、「儀」で、渾天儀(こんてんぎ)。中国、漢代から盛んに用いられた、天体の運行を観察するための器械。赤道、白道などを表わす金属製の環を同心に組み合わせて、中心に地球を置き、天の極を通る中心軸の周囲を回転できるようにしたもの。わが国でも、近世になって天球儀、プラネタリウムがもたらされるまで用いられた。渾儀。

(36-7)「達者(たっしゃ)」・・学術や技芸の道に熟達した人。その道をきわめたすぐれた人。達人。

(36-7)「周天(しゅうてん)」・・太陽、月、星などが軌道を一周すること。また、太陽、月、星などの運行。

 *周天円説・・天動説の一つ。すべての惑星は地球を中心とした円軌道上に沿って動く中心を持つ小円(周天円)上を運動するという説。プトレマイオス(トレミー)のものがよく知られる。